化学専攻講演会
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 Dr. E. Lacote講演会
日 時平成25年1月9日(水)13:30-15:00
場 所理学部 E002室 (広島大学 東広島キャンパス)
演 題 NHC-Borane complexes: from stabi-lized reactive intermediates to polymer synthesis
講 師 Dr. E. Lacote
概 要  Lacote博士は、CPE Lyon, University of Lyon (Department of Chemistry, Catalysis, Polymers, and Processes) において、ラジ カル反応を用いた炭素骨格構築法の開発や,新しいラジカル還元剤の開発などで多数のご業績を挙げておられる 若手研究者です.最近は,N-ヘテロ環状カルベンが配位した新しいホウ素反応剤やホウ素ラジカルに関した研究も展開しておられます.今回,日本学術振興会招聘外国人研究者(ホスト:中央大山下誠准教授)として来日され,広島でも講演頂けることになりました。ご多忙中とは存じますが、お誘い合わせの上多数の皆様のご来聴をお願い致します.
問合先 広島大学理学研究科化学専攻 山本 陽介
Tel 0824-24-7430


 大賀 恭 先生 講演会
日 時平成24年12月21日(金)13:30〜15:00
場 所理学部 E002室 (広島大学 東広島キャンパス)
演 題 高圧力を利用した液相有機反応機構の研究
講 師 大賀 恭 先生
(大分大学工学部応用化学科・教授)
概 要  高圧力と高粘性媒体を組み合わせて実現した高粘性反応場では,反応は媒体粘度の増加とともに抑制される動的溶媒効果が観測される。我々はこのような条件下での速度論は,従来の遷移状態理論では合理的に解釈することができず,反応分子の構造変化の座標(化学座標)と溶媒分子の運動(再配列)の座標(媒体座標)とを独立に扱う二次元反応座標モデルを用いなければならないことを実験的に示してきた。このうち溶媒再配列の難易は溶媒粘度とともに,溶質―溶媒相互作用の影響を大きく受けると考えられる。講演では,(1)分子構造の嵩高さ,(2)溶質―溶媒の分子間相互作用,がそれぞれ動的溶媒効果に与える影響について,実験データに基づいた考察を紹介する。
問合先 化学専攻反応有機化学研究室 安倍 学(7432)


 量子生命科学セミナー(第140回)
日 時2012年12月19日(水) 13:50〜15:20
場 所理学部 E002室 (広島大学 東広島キャンパス)
演 題 多環状共役π化合物の芳香族性とその予測方法CMAK
講 師 酒井 章吾 先生
(岐阜大学工学部応用化学科・教授)
概 要  反芳香族性の代表であるシクロブタジェン(四員環)の連続体をはじめ 六員環(ベンゼン)及びそれらの複合体の局所芳香族性に関しては種々の問題が指摘されている。これら多環状共役π化合物の局所芳香族性に関し簡単なケクレ構造の組み合わせ法(CMAK)により予測することが可能であることを示し、分子軌道計算から求めた芳香族性指標(IDA)との一致を示す。また、NICS等の他の芳香族性指標が多環状化合物には妥当な結果を示さないことをも示す。
問合先 理・化学 相田 美砂子(内7412)


 量子生命科学セミナー(第139回)
日 時2012年 12月 12日(水) 12:50〜16:00
場 所理学部 C104室 (広島大学 東広島キャンパス)
演 題 創薬の現場における学際的な研究者の役割
講 師 大川 和史 氏(持田製薬株式会社)
概 要  自然科学と情報計算技法とは融合を深めており,医薬品の研究開発においては,融合領域の研究者がとくに重要な役割を果たしている。ヒトゲノム解読に続く生物医学革命は,画期的な新薬をもたらすと期待されていたが,この10年,実際に市場に出されている薬は,むしろ減少しており,世界の製薬企業は,研究開発体制を見直し,この現状を打破しようとしている。このことは我が国の製薬会社でも例外ではないが,そこでは,厳しい環境の中でも,国際的に競争力のある企業へとさらなる発展を模索する努力がなされている。
 本セミナーでは,そうした製薬企業の最前線で活躍されている気鋭の講師に,量子化学を含む,計算化学や情報計算技法が,実際に現場でどのように使われているかを解説していただき,そうした研究開発の環境,チームとしての仕事の仕方,求められる研究者像など,幅広く具体的に紹介していただく。
 これによって,薬づくりという究極の目標に,化学や生物学と情報計算との融合技法が,如何に活用されているかを理解する。さらに,そうした仕事を通じてのキャリアパスについても,体験を踏まえた意見を伺う。
 学部学生,大学院生,若手研究者などの来聴を歓迎する。
問合先 理・化学 相田 美砂子(内7412)


 Drabowicz教授講演会
日 時平成24年10月30日(火)10:00-11:30
場 所 広島大学先端物質科学研究科 402N号室
演 題 Selected Synthetic and Structural Aspects in the Chemistry of Compounds Containing a Stereogenic Sulfur or Phosphorus Atom
講 師 Drabowicz教授
概 要  Josef Drabowicz教授はポーランド化学アカデミーCenter of Molecular and Macromolecular Studiesの教授として,特に16族および15族元素化合物の研究でご活躍中です。今回,つくばで10月22〜24日に開催されたアジアケイ素化学会議(主催者:関口章教授)に出席された後,広島に来ていただけることになったので,急遽講演をお願いしました。多数のご来聴を歓迎いたします。
連絡先 広島大学理学研究科化学専攻 山本 陽介
Tel 0824-24-7430
FAX 0824-24-0723


 Eduardo N. dos Santos 助教授 講演会
日 時平成24年10月5日(金) 15:00-
場 所 理学部B305教室
演 題 Adding value to naturally occurring monoterpenes and phenylpropenoids employing transition-metal catalyzed reactions
講 師 Eduardo N. dos Santos 助教授
(Chemistry Department, Federal University of Minas Gerais, Brazil )
概 要  Currently there is a strong interest in ch emical industry to move from fossil to renewable feedstock. Some phenylpropenoids and monoterpenes can be extracted from cultivated plants in large scale. The transformation of these substances into fine chemicals or new compounds with potential bioactivity will be presented employing two methodologies: tandem reactions under hydroformylation conditions and olefin cross-metathesis.
連絡先 理学研究科化学専攻 錯体化学研究グループ
水田 勉 ( 内線7420)


 量子生命科学セミナー(第138回)
日 時2012年10月3日(水) 16:20〜17:50
場 所理学部 B305室 (広島大学 東広島キャンパス)
演 題 トポロジカル・インデックスは如何に生まれ、育って来たか
講 師 細矢 治夫 先生
(お茶の水女子大学 名誉教授)
概 要  飽和炭化水素の異性体の構造と、沸点のような熱力学的な諸量との関係を調べる「構造活性相関」の問題から「トポロジカル・インデックス(Z)」のアイデアが生まれたのだが、後に、それが不飽和炭化水素のπ電子系を表すヒュッケル分子軌道法とも密接な関係にあることが分り、芳香族性の理論的裏付けに援用されるようになった。
 それとともに、欧米の数理化学者を刺激し、千以上の「トポロジカル・インデックス」が提案されるようになったので、この語は一般名詞として使われるようになった。そこで、著者の提出したものは「Z-インデックス」あるいは「細矢インデックス」と呼ばれるようになった。
 ところが、このZは、化学の問題よりは、初等数学における諸問題と密接に関係するだけでなく、代数と幾何の間をつなげる重要な役を果たす事が分って来た。
 講演では、このZの基本的な部分の解説、その数学的意味の解釈、異分野間の理論系のつながりの解析等を述べる。
連絡先 理・化学 相田 美砂子(内7412)


 Prof. Norbert Hoffmann講演会
日 時平成24年10月2日(火),14:30〜16:00
場 所広島大学理学部 B301号室
演 題 Electron and Hydrogen Transfer in Organic Photochemical Reactions
講 師 Prof. Norbert Hoffmann
概 要   Norbert Hoffmann教授はフランスReims大学で教授を務めており,光エネルギーを利用した炭素-炭素結合形成反応の開発において,世界をリードする研究者です。今回,大阪府立大学の外国人招聘教員としての来日の機会に,広島での講演をお願いしました。合成化学を指向した有機光電子移動化学を中心に講演をされます。多数のご来聴をお待ちしております。

この講演は5研究科共同セミナーの認定科目です。
連絡先 阿部学(7432)


 Prof. Sandor Kunsagi-Mate講演会
日 時平成24年9月13日(木)午後4:00
場 所広島大学理学部 B301号室
演 題 Weak molecular interactions -some models and applications-
講 師 Prof. Sandor Kunsagi-Mate
Department of General and Physical Chemistry, University of Pecs, Hungary
概 要   Weak molecular interactions are versatile and important class of chemical processes since they resulted in reversible, temperature -dependent chemical equilibria. The weak property has significant consequences at wide scale of chemistry and biochemistry especially when the species interact in condensed phase. Effect of permittivity, charge distribution and shapes of molecules on the interactions has been investigated using models of host calixarene derivatives formed complexes with neutral aromatic guests. Investigations performed on the interactions of crownether derivatives with alkali metal ions highlighted importance of the molecular vibrations in the stability of these complexes. In a mixture of hydrogen-bonded solvents unique structure of the solvation shell have been identified around molecules possessing a romatic moieties. Measurements suggest that the composition of the solvation shell in binary mixtures is far from the composition of the bulk solution. The stability of these solvation shells affects also the kinetics of complex formations. Transition thermodynamics of bovine serum albumin, competitive interactions of flavonoid aglycones with ochratoxin A for human serum albumin, formation of anthocyanine -polyphenol complexes have been investigated in this context.
 クラウンエーテルやカリックスアレン包接化合物の分子間相互作用について講演していただきます。皆様 のご来聴をお待ちしています。
連絡先 江幡孝之(7407)


 K. Seppelt教授講演会
日 時平成24年7月25日(水)15:30-17:00
場 所広島大学理学部 B301号室
演 題 Unusual cations in super acidic solutions
講 師 Konrad Seppelt教授
概 要  Konrad Seppelt教授は,ドイツベルリン自由大学の教授で,著名な無機・錯体・有機化学者です。フッ素化学、希ガス化学などの高酸化状態化合物の合成や性質の研究などに関する先駆的な研究などで高い評価を得ています。1996年には、the American Chemical Society Award for Creative Work in Fluorine Chemistry, 2001年には、Wilhelm-Klemm-Preis for Inorganic Chemistry from the German Chemical Societyなど多くの賞を受賞されています。
 今回,京都のフッ素化学国際学会で招待講演をされますが、excursionの日に日帰りで、講演していただけることになりました。多数の方々のご来聴をお待ちしております。
連絡先 広島大学大学院理学研究科化学専攻
山本陽介(内線7430)


 Prof. Gautam Panda 講演会
日 時平成24年7月13日(金)10:30〜12:00
場 所先端物質科学研究科 405N 教室
演 題 Amino Acids derived Natural Products and designed diversity:Quest for Anticancer Agents
講 師 Gautam Panda博士
概 要  Gautam Panda博士はインドAcademy of Scientific and Innovative Research 及びCSIR-Central Drug Research Instituteに所属されている、世界をリードする研究者です。多数のご来聴をお待ちしております。

この講演は5研究科共同セミナーの認定科目です。
連絡先 理学研究科 安倍 学(7432)


 久枝 良雄 教授 講演会
日 時平成24年6月19日(火)14:00〜
場 所理学部E002講義室
演 題 酵素に学ぶ触媒設計:バイオインスパイアード触媒
―物質変換と環境浄化への挑戦―
講 師 久枝 良雄 教授
概 要  久枝 良雄先生(九州大学大学院工学研究院・教授)は、生物無機化学分野を代表する研究者で、生体システムで働く金属錯体の機能を取り出し、生体系を超える人工酵素を創造することを目標に研究されています。特にビタミンB12のモデル反応の開発を始めとした金属タンパク質の機能を範とする触媒の開発では世界をリードする研究者です。
 今回、学部の集中講義のために来学されるのを機会に、上記題目で特別講演をお願いいたしました。多数の皆様の、ご来聴を歓迎いたします。
連絡先 化学科錯体化学研究グループ
水田勉 TEL:082-424-7420
mizuta[AT]sci.hiroshima-u.ac.jp


 西川 俊夫 教授 講演会
日 時平成24年6月15日(金)13:30〜
場 所理学部E002講義室
演 題 ヘテロ環天然物の全合成研究
―天然物合成は新規反応発見の場(きっかけ)となるか?
講 師 西川 俊夫 教授
(名古屋大学大学院生命農学研究科)
概 要  西川俊夫教授は,天然物合成の分野で日本を代表する著名な研究者です。多官能性生理活性天然有機化合物の全合成研究や,テトロドトキシン類の全合成と生物機能解明などを手掛けておられます。今回,大学院集中講義に来学されるのを機会に,特別講演を依頼しました。天然物の合成をベースに,天然物合成をやっているときにどんな意外な反応が起きたか,それをどう利用したか?など,全合成の面白いところをピックアップしてお話ししていただきます。ご来聴を歓迎します。
連絡先 理学研究科化学専攻 構造有機化学研究グループ
(理学研究科化学専攻 放射線反応化学)
灰野 岳晴(内線7427)
haino[AT]sci.hiroshima-u.ac.jp


 永目諭一郎 先生 講演会
日 時平成24年6月12日(火) 13:00〜
場 所理学部E002講義室
演 題 新しい元素を求めて
講 師 永目諭一郎 先生
日本原子力研究開発機構 先端基礎研究センター
概 要  地球上では今日まで、図1の周期表に示すように118種類の元素の存在が報告されている。原子番号89のアクチニウム(Ac)から始まるアクチノイド系列は5f電子軌道を満たしながら、103番元素ローレンシウムで (Lr)で終わる。したがって104番元素のラザホージウム(Rf)から112番元素までは、6d遷移元素として第4 - 12族元素に位置づけられている。さらに重い113 - 118番元素はそれぞれ第13 - 18族元素とされている。このRfからのアクチノイドを超える元素を総称して超アクチノイド元素、あるいは最近では超重元素とも呼んでいる。元素の周期表はどこまで延長できるのだろうか。新しく発見されてくる重い元素はどのような性質を示し、周期表のどこに入るのだろうか。そして周期表はどんな構造になるのだ うか。
 日本原子力研究開発機構の先端基礎研究センターでは、周期表上で原子番号の上限に位置する超アクチノイド元素の化学的性質を“シングルアトム”レベルで明かにするという研究に取り組んでいる。目的の超アクチノイド核種を原子核反応で合成し、迅速に化学分離した後、放射線計測を通して新しい元素の性質を決定するという方法である。最近、Rfの化学的性質が周期表から予想される傾向とは大きく異なるという興味深い結果が得られている。いったい何に起因しているのだろうか。
 講演では、化学の原点ともいうべき新元素の発見(合成)やその化学的性質に関する最新の成果などを紹介する。

・紹介
 永目先生は、超アクチノイド元素の化学的性質の研究を長年続けられており、この分野の日本の代表です。今回、理学研究科化学専攻における集中講義のために来学されるのを機会に特別講演をお願いしました。多数のご来聴を歓迎します。
連絡先 自然科学研究支援開発センターアイソトープ総合部門
(理学研究科化学専攻 放射線反応化学)
中島 覚(内線 6291)
snaka[AT]hiroshima-u.ac.jp


 Christa Fittschen教授講演会
日 時平成24年4/11(水) 16:00〜17:30
場 所広島大学理学研究科B508室(B棟5階)
演 題 Simultaneous detection of OH and HO2 radicals by coupling of high repetition rate LIF and cw-CRDS to laser photolysis
講 師 Prof. Christa Fittschen
(Universite des Sciences et Technologies de Lille (France))
概 要 HOx radicals play a major role in atmospheric and combustion chemistry, monitoring its concentration in the atmosphere or during laboratory experiments has long been a goal. While OH radicals can be detected with high sensitivity and selectivity by LIF (laser induced fluorescence), most experiments devoted to the study of HO2 kinetics have been performed by UV-absorption spectroscopy. Unfortunately, UV absorption is not very selective due to an unstructured broad absorption band, often superposed by the absorption bands of other reaction partners.
We have recently built an experimental set-up permitting the selective and sensitive detection of HO2 radicals by coupling time-resolved cw-CRDS (cavity ring down spectroscopy) in the near infrared to laser photolysis. HO2-radcials are quantitatively detection in the 2ν1 band around 1500 nm. An absolute calibration of the absorption coefficients has been obtained by measuring kinetic decays of the bimolecular self reaction.
Simultaneous, time resolved detection of OH radicals can be performed within the same reactor using LIF (laser induced fluorescence) at a repetition rate of 10 kHz. LIF being only a relative technique, we can use the absolute HO2 concentrations obtained by cw-CRDS to calibrate the OH-concentration time profiles. Examples of recently studied reactive systems will be presented.

・紹介
Fittschen博士は大気化学反応にかかわる分子種の高感度検出技術の開発および反応速度論的研究で世界を牽引しているフランスの研究者です(出身国はドイツ)。日本学術振興会外国人特別研究員として来日されたのを機に本学にお立ち寄りいただき講演を行っていただくことになりました。
連絡先 理学研究科化学専攻反応物理化学研究グループ
山崎 勝義
Phone & fax: 082-424-7405
E-mail: kyam[AT]hiroshima-u.ac.jp