化学専攻講演会
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日 時2007年3月12日(月) 14:30〜16:00
場 所理学部 E104教室
演 題Characterization of Ions and Cluster Ions with Relevance from Biophysics to Astrochemistry
(生体関連から星間化学の分子イオンおよびクラスターイオンのレーザー分光)
講 師Otto Dopfer 教授(ベルリン工科大学)
概 要ベルリン工科大学オットー・ドプファー教授は、分子イオンクラスター、水素結合クラスターのレーザー分光で著名な研究者です。現在、反応中間体カチオンや生体関連分子の構造決定を、赤外レーザー分光と量子化学計算を駆使して、精力的に行っておられます。
広島大学訪問の機会に講演をお願いしました。こぞって御来聴ください。
連絡先構造物理化学研究グループ 江幡孝之(内線7407)

日 時2007年3月9日(金) 13:00〜17:20
場 所理学部 E002教室
担 当 QuLiSシンポジウム
概 要第4回QuLiSシンポジウム 「水」
1.13:00〜14:00 Dr. Sotiris Xantheas
(Laboratory Fellow, Pacific Northwest National Laboratory)
“A quantitative account of quantum effects in liquid water”
2.14:00〜15:00 岡崎 進 先生
(自然科学研究機構岡崎共通研究施設計算科学研究センター教授)
「水中におけるミセル生成の自由エネルギー」
3.15:20〜16:20 田中 秀樹 先生 (岡山大学理学部教授)
「カーボンナノチューブ内の疎水性ゲストを内包する氷の生成」
4.16:20〜17:20 齊藤 肇 先生
(広島大学客員教授,姫路工業大学(兵庫県立大学)名誉教授)
「膜タンパク質機能における水和の寄与」

日 時2007年3月8日(木) 15:00〜16:30
場 所理学部 A017教室
担 当NaBiTセミナー
演 題Development of a new interaction potential for water from first principles: Structural and thermodynamic properties of water clusters, clathrate hydrates, liquid water and ice
講 師Dr. Sotiris S. Xantheas
(Pacific Northwest National Laboratory)

日 時2006年11月22日(水) 15:00〜16:30
場 所理学部 E002教室
演 題気相分子のレーザー二重共鳴分光−極端紫外から中赤外まで−
講 師築山光一 氏(東京理科大学理学研究科 教授)
概 要周波数可変極端紫外レーザーを用いた分光計測の一例として,(重)水素分子の電子励起状態における量子状態選択的解離ダイナミクスの研究について紹介する。また,東京理科大学に設置されている赤外自由電子レーザーを用いた光科学研究として,アンモニアの多光子励起過程およびアンモニアクラスターイオンの中赤外領域における分光計測とその解釈ついて報告する。

築山先生は分子分光学の研究者であり,精密かつエレガントな手法で,目の覚めるようなクリアなスペクトルを数多く発表されてきた日本の分光学分野の牽引者の一人です。分光学をベースに化学反応ダイナミックスに関する成果も数多くあげておられ,守備範囲の広い研究者です。このたび,大学院集中講義講師として来校いただけるのを機に,上記講演を行っていただくことになりました。多数の来聴をお待ち申し上げます。
連絡先理学研究科化学専攻反応物理化学グループ 山崎勝義
Phone & fax: 082-424-7405(直通)
E-mail: kyam(AT)hiroshima-u.ac.jp

日 時2006年10月30日(月) 16:30〜18:00
場 所理学部 E002教室
担 当NaBiTセミナー
演 題天文学と化学:星間H3+の天体物理化学
講 師岡 武史先生
(シカゴ大学 化学教室、天体物理教室、エンリコフェルミ研究所)
概 要物理化学は、量子力学と統計熱力学に基づく、かなり成熟した科学分野であり、基礎的な仕事は、ある程度尽くされた、と言えると思います。従って、僕たちの興味が、より未開拓な境界領域−単純な分子を、厳密に研究することに魅力を感じる人たちは、天文学、複雑な分子の物理化学の、豊かな応用に魅される人たちは、生物学と応用工学−に向かうのは、まったく自然なことです。このような考えから、僕は1975年以来一貫して、H3+の天体物理化学の研究に専心してきました。君はH3+を知っていますか? H3+は、三つの陽子と二つの電子からなる、最も簡単で、基礎的な、多原子分子です。1911年にJ.J.Thomsonにより発見され、1935年Coulsonが、正三角形の分子であることを、理論的に示しました。この講演で僕は、この分子イオンが、宇宙の化学反応でどのような主導的な役割を果たすか、それはどのように観測されるか、こうした研究が如何に天文学と化学を豊かにするかを、君に伝えたいのです。一般化学者向けの、与太を飛ばしながらの、粗っぽい話ですから、気楽に聞いてください。文献 T. Oka, Interstellar H3+, Proc. Natl. Acad. Sci. 103, 12235 (2006).

日 時2006年10月26日(木) 16:00〜
場 所理学部 E211教室
担 当理学研究科化学専攻 井上克也(内線7416)
演 題Prussian Blue analogues: growth of single crystals, LB films and their use in sensors
講 師J.V. Yakhmi, Bhabha Atomic Research Centre, (India)
概 要Jatinder Yakhmi先生はインドのBhabha Atomic Research Centreのアソシエイトディレクター兼物理工学部長で、超伝導材料、分子磁性材料とともに、自己組織化を巧みに利用したさまざまな材料について、物理、化学の協会を超えた機能材料開発に多くの業績をあげておられる著名な研究者です。本公演ではその中で特にプルシアンブルー磁性体やその類似体に関する、新しい機能材料への展開についてお話いただきます。 要旨[PDF]

日 時平成18年10月11日(水) 16:10〜17:40
場 所理学部E211教室
担 当NaBiTセミナー
演 題Understanding Molecular Structures of Polymers and Biomolecules at Interfaces
講 師Dr. Zhan CHEN (Associate Professor of Chemistry, Applied Physics and Macromolecular Science and Engineering, Associate Faculty of Biophysics Department of Chemistry, University of Michigan)
概 要Molecular structures of polymers and biological molecules such as proteins and peptides play important roles in biocompatibility, anti-biofouling control, adhesion, membrane protein function, and anti-microbial peptide behavior. Sum frequency generation (SFG) vibrational spectroscopy has been applied to investigate molecular structures of polymers, proteins, and peptides at the solid/liquid interface in situ in real time. SFG studies on polymer materials reveal molecular level details regarding polymer surface restructuring in water and polymer adhesion. SFG results of biological molecules demonstrate that C-H stretching and amide signals can elucidate structures of hydrophobic side chains and secondary structures of interfacial peptides and proteins. Several supplemental techniques including ATR-FTIR, QCM, four-wave mixing vibrational spectroscopy, and contact angle goniometry have been used in the research to substantiate the SFG results. Experimental results have been compared to those obtained from theoretical simulations. Lipid bilayers have been used as models for cell membranes to elucidate molecular interactions between cell membranes and antimicrobial peptides as well as some simple antibiotic compounds. This research demonstrates that SFG is a powerful technique which can elucidate molecular structures of polymers, proteins, and peptides at interfaces in situ.

日 時平成18年10月5日(木) 16:00-17:30
場 所理学部 B301号室
演 題The nature of the chemical bond in linear three-body systems: from I3- to mixed chalcogen/halogen and trichalcogen moieties
講 師Francesco A. Devillanova教授 (University of Cagliari)
概 要Francesco A. Devillanova教授は、イタリアのUniversity of Cagliari化学科の教授で、硫黄とセレンと遷移金属の相互作用、ハロゲン間相互作用などの化学を中心に研究を展開しており、イギリス王立化学会から出版される予定の"Handbook of Chalcogen (S, Se, Te) Chemistry"のeditorも務めておられます。今回、10月7日から、福岡で開催されてる予定の第18回基礎有機化学連合討論会の招待講演者として来日されましたので、広島での講演をお願いしました。多数のご来聴をお待ちしております。
連絡先広島大学大学院理学研究科化学専攻 山本陽介
 〒739-8526 東広島市鏡山 1-3-1 Tel 082-424-7430
 e-mail: yyama(AT)sci.hiroshima-u.ac.jp

日 時平成18年9月28日(木) 9:30〜12:30
場 所理学部小会議室(E202号室)
担 当NaBiTセミナー
演 題Computational Studies in Chemical Physics, Catalysis, and Biochemistry, Parts I & II
講 師Dr. Michel Dupuis (Pacific Northwest National Laboratory)
概 要In these two presentations we will highlight the use of modern computational tools and approaches to study electronic structure, reactivity, and dynamics, in chemical physics, catalysis, and biochemistry. The methods of ab initio direct dynamics, plane wave DFT, and free energy calculations from molecular dynamics simulations will be illustrated in a number of studies: Computational Chemical Physics: Reactions associated with ionization in water: a direct ab initio dynamics study of ionization in (H2O)17, Computational Catalysis: Charge Transport in Photocatalysts from First Principles Characterization, Computational Biochemistry: Ionizing Radiation Damages in DNA: Structure, Thermodynamics, and Stability of Clustered Damages.

日 時平成18年8月10日(木) 16:30〜
場 所理学部 E002号室
担 当NaBiTセミナー
演 題ゲノムからタンパク質へ:そのプロセスに観る生物の世界
講 師お茶の水女子大学 学長 郷 通子 先生
概 要蛋白質の立体構造とイントロンやエクソンの位置との間にはどのような関係があるのだろうか。 また、それは進化においてどのような役割を果たしてきたのだろうか。 ここでは、蛋白質の構造を『モジュール構造』としてみなおすことによって、蛋白質の形と進化に焦点をあてる

日 時平成18年7月4日(火) 15:00〜
場 所理学部 E002号室
担 当固体物性化学研究G
演 題超伝導の夢を追ってー物理学と人生―
講 師青山学院大学大学院理工学研究科 秋光 純 教授
概 要秋光先生は超伝導物質の合成とその物性研究で世界的に有名な先生で、有名なMgB2の発見者でもあります。 しかしながら先生のご研究の対象分野は、超伝導に留まらずに、磁性から伝導性まで広く、興味のおもむくままに科学する基本スタンスに従って研究に取り組んでおられます。 今回は先生の科学に対する哲学を含めて紹介頂きます。

日 時平成18年6月7日(水) 15:00〜
担 当固体物性化学研究G
講 師Lahcene Ouahab教授 (フランスレンヌ第一大学化学科)
概 要Lahcene Ouahab氏は、フランスレンヌ第一大学化学科教授で、磁性導体等の新規複合物性を目指した新規物質の開拓研究を勢力的に進めている研究者です。今回,日仏科学共同プロジェクトの一環で来日されています。

日 時平成18年4月21日(金) 15:00〜
担 当固体物性化学研究G
講 師Mohamedally Kurmoo 氏
概 要Mohamedally Kurmoo 氏は、Peter Day 先生(英国王立化学研究所教授、元英国王立化学会会長)と共に世界で初めて磁性イオンを含む超伝導体の合成に成功した研究者として有名です。最近では、非常に大きな保持力を持つ磁性体の開発等、特異な物性を有する化合物の合成で顕著な成果を上げられています。今回自然科学研究機構分子科学研究所客員研究員として来日されるのを機に広島大学で最新の成果をお話しいただくことになりました。皆様の来聴をお願いします。

日 時平成18年4月10日(月) 16:00〜
担 当反応有機化学研究G
講 師J. Michl教授 (University of Colorado at Boulder)
概 要J. Michl教授は、University of Colorado at Boulder化学科の教授で、Chemical Reviewsのchief editorを務めておられる事でもお分かりのように、国際的に非常に著名で、Arthur C. Cope Senior Scholar Awardをはじめ、数多くの賞を受賞されている化学者です。有機化学および有機金属化合物の光化学的研究をはじめ、カルボランを用いた不安定化学種の合成、金表面の分子モーターの研究など、多様な分野で国際的にご活躍中です。4月2日から、京都で開催されている第21回光化学に関するIUPACシンポジウム(主催:九州大学入江教授)の講演者として来日されましたので、広島での講演をお願いしました。多数のご来聴をお待ちしております。

日 時平成18年4月10日(月) 10:00〜
担 当固体物性化学研究G
演 題Chromatic orthogonality: a new form of selectivity in organicsynthesis
講 師Christian G. Bochet教授
概 要Bochet教授は,有機合成への光化学の応用を中心に研究しておられる若手の研究者です。この度は,21st IUPAC Symposium on Photochemistryに参加するために来日されることになりましたが,せっかくの機会ですので,広島大学にもお立寄りいただくことになりました。多数のご来聴をお待ちしております。